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Vol.82 相続の放棄とは

Q

「あなたは、子どもがいないから遺言書を書いておいた方がいいわよ」と知人からよく言われます。本当に書くべきなのでしょうか。具体的な事例などあれば、教えてください。

Sさん 70歳 女性

A

 私は職業柄、相続やその手続き等についてご相談を受ける機会が多いのですが、しばしば「このお客さまには遺言書が必要だ」と思うケースがございます。お客さまの将来の円満・円滑な相続のためにアドバイスさせていただくのですが、多くの場合、「まだ時期が早いから」、「財産が少ないから」、「相続人は仲が良いから」などの理由で、作成されなかったり、先延ばしされたりすることが多くあります。はたして本当にそれでよいのでしょうか?

 相続では特に、お子様がいらっしゃらないご夫婦やご高齢の相続人などが、大変な苦労をされている場面に多く出会います。

 家系図でご説明しましょう。

 図1はお子様のいらっしゃらないご夫婦で、ご主人が亡くなられたケースです。お子様がいらっしゃれば、奥様とお子様が2分の1ずつの法定相続割合となりますが、お子様がいらっしゃらずご主人のご両親も他界されていた場合は、兄弟姉妹が相続人となります。法定相続割合は、奥様4分の3、残りの4分の1を兄弟姉妹で均等に分割した割合が法定相続割合となります。相続手続き開始後、相続手続きが終了するまでは、金融機関のご預金などの口座利用の取扱いが通常は出来なくなります。ご夫婦の場合、生活資金はご主人名義の口座を利用されていることが多いと思いますが、ご主人が亡くなり、口座が利用出来ないとなると、奥様の生活資金の出し入れが滞ってしまう事態も想定されます。相続手続きは、戸籍から相続人を確定し、財産調査を行ったうえで、相続人全員で遺産分割協議をして相続配分を決定します。奥様は、夫婦で築いた財産の分割協議をするために、相続人の立場で他の相続人であるご主人の兄弟姉妹にお願いをして手続きを行うことになります。スムーズに事が運べば良いのですが、ここでご主人の兄弟姉妹と相続トラブルでも起こってしまったならば、奥様のご心痛は計り知れません。

 次に図2をご覧ください。

 お子様のいらっしゃらないご夫婦のご主人が他界し、相続人はお母様と奥様で、法定相続割合は母親3分の1、妻3分の2となるケースです。このような場合、お母様は高齢であることが多く、相続手続き完了前に他界されることもあります。そうなると奥様は、お母様の相続人との協議も必要になり、場合によっては非常に複雑になってしまいます。多数の縁遠い親族との交渉には、膨大な手間と時間を要し、大変なご苦労をされることもあります。これと同じケースで実際、私のお客さまは相続手続きに2年もの時間を要しました。奥様のお話では、「相続で苦労をすることは夫婦共に分かっていたのに、『そのうちに』と遺言作成を先延ばしにした結果、ついに書かずじまいで主人は亡くなってしまった。主人も私がこんなに苦労すると分かっていたら絶対に作成してくれたはずだ」と後悔を口にされていらっしゃいました。きっと当のご本人も奥様にご苦労をかけることは本意ではなかっただろうと考えると、今でも悔まれます。

 有効な遺言書の配分は、法定相続割合に優先します。遺言書があれば奥様は、他の相続人と遺産分割協議することなく、相続手続きを進めることが出来たのです。遺言は多額の財産をお持ちの方だけが必要とは限りません。

 遺言作成を先延ばしされている「あなた」様へ。この機会に作成に着手されてみてはいかがでしょうか。

 私どもりそなグループでは、ご相続に関するご相談を承っております。経験豊かなFPが皆さまのお手伝いをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

(2014年6月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 田中 直樹氏
平成4年入社。営業店勤務を経て平成21年よりFPとしてひょうご地域を担当。4月より堺東支店駐在。1級FP技能士、宅地建物取引主任者。
 
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