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Vol.82 相続の放棄とは

Q

親が多額の借金を遺して亡くなった場合には相続の放棄が出来ると聞いたことがあるのですが、どうしたらよいのでしょうか。

Fさん 65歳 女性

A

 被相続人(亡くなった人)が遺す相続財産には、不動産や現預金といったプラスの財産だけでなく、借金のようなマイナスの財産もあります。相続財産がプラスの財産よりマイナスの財産の方が多ければ、相続人(財産を相続する人)自身の財産から返済しなければなりません。
 民法では、そのような場合には相続人が「相続放棄」を選択出来ることになっています。

相続の3つの選択肢

 相続が発生すると、相続人は相続財産を受け継ぐか否かを自分の意思で決めることができます。  財産の受け継ぎを全面的に拒否することを「相続放棄」といい、それに対して権利や義務を全て受け継ぐことを「単純承認」といいます。判断が難しい場合には、相続財産の範囲内の債務のみを負担すればよい「限定承認」を選択することも出来ます。ただし「相続放棄」は単独申請が可能なのに対し、「限定承認」は相続人全員の共同申請が必要です。

相続放棄の手続きと期限

 相続の放棄を行うには、原則として相続を知った日から3カ月以内に、被相続人の住んでいた場所を直轄する家庭裁判所に「相続放棄申述書」「(申述人の)戸籍謄本」「(被相続人の)除籍簿」「(被相続人の)住民票の除票」等の必要書類を揃えて申し立てを行います。(家庭裁判所によって必要書類が違うようですので、事前にご確認ください)

期限の延長

 3カ月の期限内に判断を下すため、相続財産の状況調査をしてもなお、判断に窮する等の場合、家庭裁判所に相続放棄申述期間の延長を申し立てることも出来ます。これが認められれば期間が延長されることになります。

相続順位への影響

 相続放棄をすると、その放棄した者は最初から相続人でなかったこととされます。そのため相続人や相続順位が変動することがあります。  例えば、被相続人の子ども(第一順位)全員が相続放棄をしたとすると、相続権は親(第二順位)に移り、親も相続放棄した場合や既に死亡している場合は、相続権は兄弟姉妹(第三順位)に移っていきます。
 相続人の関係によって、相続放棄をすることを事前連絡する等の配慮が必要になることもあるかもしれません。

相続税への影響

 マイナスの財産の方が多く相続放棄を選択される方にとっては、相続税のご心配は不要かもしれませんが、相続税を計算する上で、相続人の中に相続放棄をした人がいても、相続税の基礎控除、生命保険金や死亡退職金の非課税限度額を計算する際の法定相続人は、民法で定められた相続人です。よって、相続放棄した相続人がいても相続税の総額は原則として変わらないことになります。

相続放棄の判断

 相続放棄が成立すれば借金の負担を回避出来ますし、そもそも相続に関わりたくない場合は初めから相続人ではなかったことになりますので、メリットがあると言えるでしょう。ただし、債務を負うのは嫌だからと安易に相続放棄すると、後に借金を上回る不動産や預貯金、株等があることが判明してもそれらを相続することは出来ません。十分に相続資産を調査し、正しい判断をすることが必要です。
 相続発生後、相続人がお困りになることがないように、相続・資産承継について事前に十分検討し、必要な対策を講じることも大切なことと言えます。
 事業を営まれている方や不動産賃貸をされている方など、負債のある方は資産・負債の両面から承継準備が必要です。
 お困りのことやお悩み等ございましたら、りそな銀行にご相談ください。経験豊富なファイナンシャルプランナーがお客さまのお越しをお待ちしております。

注意事項

税務の詳細につきましては所管の税務署や税理士等の専門家にご相談ください。

(2014年4月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 小竿 賢司氏
昭和63年入社。1級FP技能士、宅地建物取引主任者。趣味は国内を鉄道で旅行すること。
 
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