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vol.74 自筆遺言「検認」と「遺言執行者の選任」

Q

夫が亡くなり、生前に書いていた自筆の遺言書が出てきました。「検認手続きをすればいい」と言われていましたが、実際にはどうしたらよいのでしょうか。具体的な手続きの流れを教えてください。

Oさん 75歳 女性

A

 雑誌等で特集が組まれたり、書店でエンディングについての特別コーナーが作られるなど、遺言についての関心が高まる中、自筆遺言を遺される方が多くなりました。
 それに伴って、今回のようなご質問をお受けすることも増えてまいりましたので、手続きの具体的な流れをご説明いたします。

1.「検認」手続き

 検認の手続きは、遺言者の最終住所地を管轄している家庭裁判所に対して申し立てを行います。検認手続き前に遺言書を開封してはならない点にご注意下さい。

【必要書類】

①遺言者の出生から死亡までの全ての戸籍
②相続人全員の戸籍
③家事審判申立書(遺言1通につき800円の収入印紙も必要)
④郵便切手(相続人への連絡用)

 家事審判申立書に必要事項を記載し、家庭裁判所へ提出します。この時点で遺言書を提出する必要はありません。郵便切手は相続人の人数等によって必要枚数が変わりますので、申し立てをする家庭裁判所に直接お問合せください。
 申立書を提出した後、検認期日のお知らせが相続人全員に届きます。申立人以外の相続人は、各人の判断により欠席する事も選択できます(欠席届の返信が必要)。欠席者がいた場合でも検認手続きは行われます。申立人は遺言書、印鑑、その他家庭裁判所の担当者から指示があったものを持参します。
 家庭裁判所は、検認期日に申立人から提出を受けた遺言書を、出席した相続人などの立会いのもと開封し、遺言書を検認します。遺言の執行のためには検認済証明書が必要であるため、検認済証明書の申請をします。申請手続きのためには、遺言書1通につき150円の収入印紙と申立人の印鑑が必要です。
 遺言の検認とは、あくまで「家庭裁判所が相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続き」であり「遺言の有効・無効を判断する手続き」ではない、ということにご注意ください。
 また、多くの自筆遺言において、その遺言の内容を実現する者(遺言執行者)の指定がされておりません。その場合、改めて遺言執行者の選任の手続きが必要になります。

2.遺言執行者の選任

 遺言書の中で遺言を執行する人(遺言執行者)が指定されていない場合、または指定されている人が亡くなった場合には、家庭裁判所へ遺言執行者の選任申し立てをします。

【必要書類】

①遺言者の出生から死亡までの全ての戸籍
②遺言書写し又は遺言書の検認調書謄本の写し
③遺言執行者候補者の住民票または戸籍
④家事審判申立書
⑤郵便切手
(①・②については検認を受けてから5年間は原則不要)

 家庭裁判所から書面で照会や直接事情を尋ねられる場合がありますが、その場合には必ず応じるようにしてください。
 その後、家庭裁判所より遺言執行者に選任する旨の通知があり、ようやく遺言書に基づいた手続きが始められることになります。

3.まとめ

 自筆遺言は費用も掛からず簡単に作成出来ますので、既に作成されたという方も多いかと存じます。しかしながら、その自筆遺言を基に手続きをする相続人が、前述のように様々な手続きを経る必要があることはご存知でしたでしょうか。
 また、自筆遺言で形式の不備や文章の表現が不十分であったために、遺言者の遺志通りにならないケースも耳にします。これはとても残念なことです。
 これから遺言作成を検討されている方や既に自筆遺言を準備されている方におかれましては、今一度、費用や手間は掛かりますが、検認手続きが不要な「公正証書」での遺言作成をご検討されてみてはいかがでしょうか。

(2013年8月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 島田 早絢氏
平成18年入社、成増FPデスク、首都圏地域西BL担当。
 
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