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vol.72 自宅と事業用地の相続について

Q

私は父と都内で和菓子店を営んでおり、その近所の二世帯住居で両親と同居しています。高齢の父親と時折相続について話をするのですが、何から始めて良いか分かりません。相続税の増税があると聞いていますので心配しています。

Hさん 55歳 男性

A

 Hさんの和菓子店は創業100年を超える老舗とのこと。家業を守るためにも相続対策はなるべく早いうちに準備し、仕事に打ち込める環境にしておきたいものです。

相続対策の第一歩

 Hさんは生計維持の基盤である店舗とご自宅を自分の代でも大切に守っていきたいとお考えです。もちろん、お父さまも息子さんに家業をきちんと引き継いでもらいたいと願っています。相続対策の第一歩は現状を正しく把握し、来るべき相続発生に備え、資産や家業の承継について検討すべきことをリストアップすることだと思います。Hさんがご心配のとおり、「富裕層増税」実施と伝えられていますので、相続税改定の行方も注視しておく必要があります。

相続税の改正について

 平成25年度の税制改正では、平成27年1月1日以降に発生する相続においては、相続税の基礎控除が引き下げられることになり、相続税納税義務者が大きく増えると言われています。今回の税制改正では「サラリーマン世帯にも相続税」など、個人資産税に関する増税の面が大きく報道されていますが、「教育資金の一括贈与に関する非課税制度の創設」や「住宅ローン控除の拡充」など、贈与税や所得税に関する減税の政策もいくつか同時に打ち出されており、こうした改正点も正しく理解しながら、税金対策に止まらないしっかりとした資産・事業の承継対策を検討することが大切です。特に、Hさんのように地価の高い地域で代々ご商売をされている場合、今回「小規模宅地等の特例」といわれる相続税評価上の軽減措置が拡充されますので、この点では従来よりも有利と言えるかと思います。

 自宅や事業用の土地については、相続により自宅売却を余儀なくされたり事業の継続が困難となる事態を防ぐ観点から、相続税の計算上、それらの土地の評価について大幅な減額が認められる税制上の特例があります。これを「小規模宅地等の特例」といいます。この特例は今般の税制改正により、一定条件のもとで自宅の限度面積が240m²から330m²に拡充され、さらに400m²までの事業用地との完全併用が可能となりました。Hさんのご自宅は約100坪の二世帯住居で店舗も約120坪とのことですので、一定の要件を満たしていれば相続発生時には特例拡充の効果は大きいと想定されます。その他、特例適用の要件として、二世帯住宅の構造要件が緩和されたり、被相続人が老人ホームに入居していた場合の自宅の取扱いに関する要件緩和など、減税方向での制度改正が行われていることも知っておく必要があります。

必要な対策とは?

 このような税制改正の内容を理解しつつ、税金対策に止まらない総合的な検討をお勧めします。一般的に相続対策では、①相続財産を減らす②納税資金を準備する③資産を円滑に承継する、の3点を総合的に検討します。小規模宅地等の特例など、税制上の措置は「相続財産を減らす」ことと同等の効果が得られる場合があります。相続対策は部分的、一時的に行うのではなく、総合的かつ計画的に行うことで、ご家族や家業の将来の発展につなげていきたいものです。お父さまとHさんの和菓子店が今後も末永く繁盛されるためにも、不動産等の大切な資産を承継するための課題を把握し、ご家族で協力しながら早期にご準備されることをお薦めします。

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 私ども、りそな銀行のファイナンシャルプランナーは、まず、お客さまの現状を把握し、課題解決に役立つ様々なご提案を致します。ご相談は無料です。お気軽に最寄のりそな銀行までご相談ください。

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(2013年6月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 本田 哲夫氏
1級FP技能士。現在プライベートバンキング室に所属し、荻窪支店、井荻支店、吉祥寺支店のお客さまを担当。
 
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