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vol.66 貸地の問題点とその解決策

Q

父から相続により受け継いだ土地200坪が貸地になっています。借地人は複数おり、いずれも固定資産税程度の地代しか受け取っていません。先祖代々の土地であり手放すことは考えていませんが、管理も大変ですし、何か良い方法はないでしょうか。

Kさん 60歳 女性

A

 「一度貸した土地は返ってこない」と言われるとおり、質問者であるKさん同様長く貸地問題でお困りの地主さんは多いのではないでしょうか。
 今回は、貸地の問題点とは何か、そして解決策にはどのようなものがあるのかについてまとめてみました。

○貸地の問題点

1.収益性の問題
 Kさんのようにわずかな地代しか受け取っていないケースが多く、貸家や月極め駐車場などと比べると収益性が低くなる傾向にあります。

2.土地活用の問題
 貸地の権利関係は借地借家法で定められています。借地借家法は借地人の保護に重点を置いており、地主から見れば「自分の土地なのに自由に使えない」と不満に感じることもあるかと思います。

3.管理の問題
 地代の収受などの手続に関して、地主と借地人の間で直接やりとりするケースも多いかと思います。貸地の広さや借地人の数によっては、相当の負担になるでしょう。

4.相続時の問題
 相続が発生した場合、貸地は実際の資産価値よりも概ね高く評価されることから、その分多額の相続税が掛かることになります。
 土地を売却して納税資金を確保しようとしても、住んでいる人がいるため思うように売れないことがあります。また、境界が不明確であるとか、権利の帰属に争いがあると物納も困難になります。

○さまざまな解決策

<土地を手放したくない場合>
@借地人に対し地代の引上げ交渉を行う
 一般的に、適正地代は固定資産税額の2〜3倍が目安と言われています。相場より地代が安い場合には検討してみると良いでしょう。
 固定資産税が増加したときや、土地価格が上昇したとき、経済情勢が変動したとき、近隣事例との比較等から地代が著しく低いときなどに適した方法です。

A借地人から借地権を買い取る
 借地権を買い取る資金の準備が出来ることが前提になりますが、借地人から借地権を買い取ることで、土地が完全な所有権となり、資産価値が向上するとともに、土地活用や処分もしやすくなります。
 ただし、借地人の自宅が建っている場合は、住み替えの問題で交渉が難しくなります。借地人に相続が発生した場合や、借地人が建替えや転居を考えている場合などに交渉するのが良いでしょう。

B底地と借地権を交換する
 貸地面積が広い場合には、地主の底地(借地権が付いた土地の所有権)と借地人の借地権を交換して、それぞれの土地を完全な所有権とする方法があります。資産価値が向上するとともに土地活用や処分もしやすくなります。
 この方法は権利の交換なので、お互いに金銭負担が少なくて済むというメリットがあります。また、「固定資産の交換の特例」という税制面での優遇を受けられる場合があります。
 ただし、借地人の自宅等建物が建っている場合、建物の取り壊しが必要となることがあります。借地人が建替えを検討しているようなタイミングで交渉してみるのが良いでしょう。

底地と借地権の交換

<土地を手放しても良い場合>
@底地を借地人に売却する
 借地人に底地を買い取るための資金があることが前提となります。貸地の管理負担が大きいと感じている場合や、将来の相続を視野に入れ、換金して納税資金を準備しておきたい場合には検討してみると良いでしょう。

A底地を不動産業者に売却する
 底地を売却したいが借地人との交渉がうまくいかないなどの場合には、不動産業者などに売却するという選択肢もあります。
 ただし、相場よりもかなり安い価格での売却となることは覚悟しなければなりません。相続税負担の重い底地をまとめて売却できることがメリットになります。

B底地と借地権を同時に第三者に売却する
 借地人の同意と協力が前提になりますが、買主から見れば完全な所有権として購入できるため、通常の価格(時価)での売却が見込めます。また、完全所有権なら土地の利便性も格段に上がりますので、売却対象先も広がります。

○最後に

 Kさんの場合、土地は手放したくないとのことですので、収益性を改善させるために、まずは地代の引上げ交渉を検討することをお勧めします。
 長年付き合いのある借地人に面と向かって値上げをお願いするのは難しいと思いますので、地代の集金を業者に委託し、その業者を介して交渉の糸口を見出すというのも一つの方法です。
 また、各借地人との日常会話などを通じて将来的に「借地権の買取り」や「底地と借地権の交換」が検討できる土地の選別を行い、具体的な交渉時期や対応方針等について整理しておくことも重要です。
 りそな銀行では、不動産売買の仲介や遊休地の有効活用に関するご相談や、相続に関する各種ご相談も専門スタッフが承っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

(2012年12月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 田中 里佳氏
平成3年入社。1級FP技能士、宅地建物取引主任者。現在、錦糸町FPデスクに駐在(錦糸町、亀戸、本所支店担当)。
 
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