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vol.65 ご夫婦で遺言、書いてみませんか?

Q

夫が遺言書の作成を検討しています。「奥さんもどうですか」と勧められましたが、財産の大半は夫名義で、私の財産はほとんどありません。子どもが2人いるのですが、私も遺言書を作った方が良いのでしょうか。

Fさん 70歳 女性

A

○ご主人さまの遺言内容に注意

 ご主人さまが検討されている遺言の内容にもよりますが、Fさんも遺言書の作成を検討する必要が充分にあると思われます。
 Fさんが「私の財産といっても預貯金くらいだし、お金なら平等に分けやすいからもめごとも起こらないだろう」とお考えになっていても、将来ご主人さまからご自宅などの不動産を相続されれば、事情は変わってきます。
 Fさんが遺言書を作成していなければ、最終的には、相続人であるお子さま2人で財産をどう分けるか話し合うことになります。
 一般的に、両親とも亡くなった時の相続は、親の一方が健在であった時のそれに比べ、トラブルが表面化しやすくなります。ご夫婦の相続については、それぞれの財産額に関係なく、ワンセットで考えた方が良いでしょう。

○相続予定の財産の行き先も決められる

 相続する予定の財産は、現在はご主人さまのものですが、遺言書では現在保有している財産以外に、将来取得予定の財産についても明記し配分を決めておくことができます。ご主人さまからの財産を「相続予定の財産」として、Fさんの遺言書に明記して配分を決めることが可能なのです。

○遺言書作成のタイミング

 ご主人さまが亡くなってから遺言書を作成しても良いのではと思われるかもしれません。しかし、Fさんご自身が以前からお持ちの財産ならともかく、ご主人さまの遺された財産の分け方をおひとりで考えるのは、相当なプレッシャーになるのではないでしょうか。
 お子さまたちに最終的に財産をどう引き継いでいってほしいのかということは、ご夫婦で決められるのが一番だと思います。
 また、ご高齢になれば、体力や判断能力が衰えてきて、遺言書の作成が難しくなってしまうことも考えられます。ご夫婦ともお元気なうちに、おふたりで作成されることが望ましいでしょう。

○予備的遺言のススメ

 ご夫婦で遺言書を作成される場合、「予備的遺言」をつけることをお勧めしています。予備的遺言とは、特定の方に相続させる財産について、相続時にその方が先に亡くなっていた場合に相続させたい相手をあらかじめ決めておくものです。
 ご夫婦であれば同世代同士の方も多いですから、どちらが先に亡くなっても円滑な相続ができるよう考えておく必要があります。
 予備的遺言によって、ご夫婦どちらか先に万一のことがあっても、わざわざ遺言書を変更する手間をかけずに、最終的にお子さま2人にどのように相続してほしいかを明記することができます。このように、ご夫婦おふたりでお子さまへの配分を決めておけば安心できると思います。

○お子さまのいないご夫婦の場合

 お子さまがいないご夫婦も、財産額にかかわらず遺言書を作成する必要性は高くなります。
 お子さまがいなくてご両親もすでに他界されている場合には、配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は甥姪)が相続人になります。
 例えば、先に夫が亡くなった場合、妻は夫の兄弟姉妹(あるいは甥姪)と、遺された財産をどう分けるか話し合わなければなりません。
 多くの方が、配偶者側の親族と財産分けについて話をすることが困難だと考えています。兄弟姉妹や甥姪には遺留分がありませんので、夫婦で互いに財産を渡し合う遺言書を作成しておけば、全ての財産を円滑に配偶者に遺すことができます。
 この場合も、予備的遺言を活用して、供養などをお願いする親族や、お世話になった団体などに財産を遺される方もいらっしゃいます。遺言の有効期限は一生涯ですので、お元気なうちにご夫婦お揃いで遺言書を作成されることをお勧めします。

○「付言」で想いを伝えましょう

 最後に、ご夫婦で遺言書を作成するポイントとして、「付言事項」をつけることをお勧めしています。
 付言とは、法律に定める遺言事項以外の文言のことで、相続人に対するメッセージなどを自由に書くことができます。付言事項に法的効力はありませんが、遺言書本文は形式が決まっていて硬い文章になりがちなだけに、遺言者の想いが相続人に伝わる重要な箇所になります。
 一般的な付言の例としては、なぜこの配分にしたかの理由、葬儀やお墓のことなど今後の手続の希望、そしてご家族に対する感謝の気持ちなどが挙げられます。特に、配分の理由をここで明記しておけば、残されるご家族もただ配分を示されるよりはるかに納得しやすいと思います。
 11月22日は「いい夫婦の日」です。この日をきっかけに、ご夫婦で築き守ってこられた財産をどのように次世代に引き継ぐか考えていただくとともに、お子さまそしてお互いへのメッセージ(付言)もしたためてみてはいかがでしょうか。

(2012年11月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 田中 里佳氏
1級FP技能士。宅地建物取引主任者。平成18年入社。現在、大阪地域(大阪西区・市岡・桜川・大正支店)担当FP。趣味は旅行、英語。
 
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