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vol.64 資産家でなくても「相続対策」は必要?

Q

妻と3人の息子がおり、長男一家と同居しています。最近、「相続対策」という言葉をよく聞くようになりましたが、私には自宅以外に大した財産はありません。相続対策をする意味はあるのでしょうか。

Yさん 65歳 男性

A

○「相続対策」と「相続税対策」は違う

 「相続争いなんて、お金持ちの話だろう」
 「うちには大した財産はないから、相続対策なんて関係ない」
 そう思っている人も多いのではないでしょうか。
 平成22年中にあった相続のうち、相続税の課税対象になったのは全体の約4%。この数字だけ見れば、ほとんどの人は相続税を納める必要がなく、「相続税対策」はいらないと思われます。
 しかし、「相続税対策」が不要だからといって、遺産を巡る相続人間の争い(いわゆる「争族」)が起こらないということではありません。実際、調停等が成立した遺産分割事件の77%が、遺産価額5千万円以下となっています(平成23年度司法統計)。つまり「争族」は、財産額に関係なく起こる可能性があるということです。

○「争族」はなぜ起こる?

 民法では、遺産分割の目安となる割合(法定相続分)が定められていますが、日本の相続財産の約6割が不動産といわれています(平成22年国税庁統計年報)。「自宅のほかに多少の預貯金がある」というケースで法定相続分通りの分割をしようとすると、多くの場合1軒の自宅を複数人で分けることになります。
 仮に同居している子どもがいる場合、親としてはその子どもに自宅を譲りたいと考えるでしょうし、子ども本人も「自宅は当然自分がもらえるだろう」という期待を持っているのが自然だと思います。
 しかし、他の兄弟姉妹は、一人が自宅を相続することは不公平だ、代わりに相応の現金などをもらいたい、などと考えるかもしれません。その金額を相続財産で賄えなければ、自宅を相続した子ども自身の預貯金から支払う方法もありますが、金額によってはそれも難しいでしょう。
 さらに、相続権はなくてもそれぞれの配偶者の意向が影響し、問題を複雑化させてしまうこともよくあります。住宅ローンや子どもの教育費といった事情があればなおのこと、「もらえるものはもらいたい」と思うのも人の心情というものです。
 遺産分割の話し合いがまとまらなければ、場合によっては、自宅を売却してその代金を分けるという結果になるかもしれません。そうなると、 同居していた人は家を追い出されてしまい、その後の親戚付き合いも気まずくなってしまうでしょう。

○「相続対策」の前に「争族対策」を

 最も一般的な「争族対策」は、財産の「行き先」を生前に決めておくことです。例えば、Yさんご自身が「この家は長男に譲りたい。二男と三男の相続分は少なくなるが、家のことなど世話になっているのだから理解してほしい」とおっしゃる場合と、相続開始後に長男が同様の配分を提案される場合とでは、二男・三男の心証もかなり変わるのではないでしょうか。
 均等な配分にしなければならないわけではありませんが、法定相続分は相続人の気持ちの上でも大きな目安と言えます。配分に差が出る場合、各相続人が納得できる理由を示すことが必要になるかもしれません。必要な相続対策を考えるのはその後です。相続対策には、大きく分けて
@行き先などを指示する方法(遺言書の作成など)
A行き先を事前に確定させる方法(生前贈与、生命保険、信託など)

があります。手数料や税金がかかるものもありますので、費用対効果を考慮することが重要です。
 相続税がかかる場合は、ここで初めて「相続税対策」を検討します。対策だけを行っても、「争族」が起きてしまったら元も子もありません。だからこそ、具体的な対策の前に「争族」を未然に防ぐことを考える必要があるのです。

○「生命保険」や「信託」による争族対策

 遺言書の作成については過去にも何度か紹介していますので、Aの方法についてもう少しご説明しましょう。
 「生命保険」は、保険金受取人という形でお金に「宛名」を付けて渡すことができます。亡くなった人の預貯金口座は遺産分割が終わるまで凍結されますが、保険金なら受取人の請求手続によって比較的早く受け取ることができるため、葬儀費用や相続税の納税資金などで相続人に負担をかけずに済むメリットがあります。また、例えば長男一人に自宅を相続させたい場合、二男・三男にそれぞれ「宛名」を付けた保険を用意しておくことで、Yさんの気持ちが伝わり、配分に差があっても納得していただきやすいのではないでしょうか。
 信託銀行(りそな銀行も信託銀行です)が取り扱う「信託」も、受取人の指定など相続に活用できます。分割交付ができるものや、生前は自分のために使えるものなど、様々な商品があります。最近では、手数料の割安なパッケージ型の資産承継信託もあり、気軽に利用することができます。

○相続を「争族」ではなく「想族(想続)」に

 「相続」は、残念ながら誰にでもいつかは訪れます。その時には、「争族」ではなく、大切なご家族を思いやる「想族」、あるいは相続を通じて想いがいつまでも続く「想続」であってほしいものです。
 りそな銀行では、「遺言信託」「生命保険」「資産承継信託」「土地の売買・有効活用」など、相続対策の各段階においてお役に立つことができます。お近くの支店窓口や担当者までお気軽にご相談ください。

※商品によっては手数料がかかります。また、審査によりご希望に添えない場合がございます。

(2012年10月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 田中 里佳氏
1級FP技能士。CFP®認定者。宅地建物取引主任者。平成22年よりプライベートバンキング室所属。現在、神奈川地域(上大岡・弘明寺・磯子支店)担当FP
 
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