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vol.63 遺言書の見直し、してみませんか?

Q

5年前に遺言書を作成しました。妻や子ども、孫たち、知人などにそれぞれ財産を譲るという内容なのですが、妻と老人ホームに入るため持ち家を売ることになりました。遺言書は無効になってしまうのでしょうか。

Sさん 75歳 男性 大阪市在住

A

 最近では、新聞やテレビ番組などでも頻繁に「相続」や「遺言」が取り上げられており、遺言書にご関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
 しかし、せっかく考え抜いて作成した遺言書も、時間が経って事情が変わり、かえって相続を難しくしてしまうことがあります。今回は、遺言書作成後に起こりがちな例を紹介しながら、ご質問にお答えします。
 すでに遺言書を作成されている方はもちろん、これから作成をお考えの方にもご一読いただければ幸いです。

○財産を指定する場合は注意

 2人の息子を持つAさんは、「長男に自宅の土地建物を相続させる。その他の財産は全て二男に相続させる。」という内容の遺言書を作成しました。
 「その他の財産」は老後に備えて貯めた銀行預金が主で、約2,000万円あります。自宅の評価額もほぼ同じくらいです。
 数年後、体調を崩しほぼ寝たきりになったAさんは、自宅を売って長男一家と同居することにしました。

 Sさんと似たケースです。実際、相続があり遺言書を開封してみると、処分した財産が書かれていた、逆に所有する財産が書かれていない、ということは珍しくありません。
 遺言書に書かれていても実際には所有していない財産を相続させることはできません。つまり、「長男に自宅の土地建物を相続させる。」という部分は無効になります。
 ただし、無効な部分があるからといって遺言書全てが無効になるわけではなく、「その他の財産は全て二男に相続させる。」という部分だけが有効な遺言として残ります。結果として、長男は何ももらえないという内容になってしまいます。
 Aさんは、息子たちの間に不公平感が生まれないよう考えた上で遺言書を作成したのですが、このままでは、遺言書の存在自体が「争族」の種になりかねません。

○予備的遺言で書き方に工夫を

 Aさんは遺言を書き直すことに決め、財産を長男・二男で均等に分けるという内容に変えたところで、ふと長男と同居する前のことを思い出しました。
 一人暮らしだったAさんは、近所に住んでいたBさん一家に家事などで色々助けてもらっていました。AさんはBさんたちに大変感謝しており、Bさんに預金のうち100万円を遺贈しようと考えました。

 遺言により法定相続人以外の人にも財産を遺すことができますが、遺す相手(Bさん)が先に亡くなってしまった場合、その財産が相手の相続人(Bさんのご家族)に自動的に渡るということにはなりません。感謝の気持ちを伝えるはずだった100万円は宙に浮いてしまい、その分割方法は遺言書がない場合と同様に法定相続人の間で協議されることになります。
 結果としてBさんのご家族に財産が渡ることはなく、もしも長男・二男の仲が良くなければトラブルの元になるかもしれません。Bさんの年齢にもよりますが、「知人Bさんが自分より先に亡くなっていた場合、その子Cさんに遺贈する」など、書き方を工夫するのが良いでしょう。
 これは「予備的遺言」と呼ばれるものです。予備的遺言を活用すれば、その後想定される事態にある程度対処でき、遺言変更の手間も省けます。例えば、同世代の配偶者が先に亡くなる可能性を考慮し、その場合にはどう配分するかをあらかじめ盛り込んでおくことができます。

○今後も定期的な見直しを

 Sさんの遺言書についても、持ち家の売却によって無効となる部分が出てくる可能性があり、変更しなければならないことが十分考えられます。今回に限らず、今後も定期的に遺言内容を見直していただくことをお勧めします。
 遺言変更の必要が生じやすい例を挙げておきますので、見直しの際のご参考にしていただけたらと思います。

○最後に

 りそなの<遺言信託>では、遺言者の想いを反映した遺言を実現するためのサポートをいたします。遺言書の作成後も、財産や相続人などの異動による遺言変更の必要がないかを定期的に照会するとともに、法令等の制度改正を踏まえた相続対策の見直しの必要性についても、継続してアドバイスさせていただきます。
 りそなの<遺言信託>をご利用でない方も、「遺言を変更すべきか迷っている」「遺言書の書き方がわからない」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

※遺言信託では所定の手数料を申し受けます。審査によりお申込みの意に添えない場合もございますので、ご了承願います。

(2012年9月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 田中 里佳氏
営業店勤務を経て平成17年よりプライベートバンキング室所属。現在、大阪地域(守口・都島・城東エリア)担当FP。
 
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