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vol.61 内縁関係の場合の相続

Q

内縁の夫とは35年間一緒に生活しており、息子も1人います。
正式な夫婦でないと相続の時に不利になると聞きましたが、どうすれば良いのでしょうか。

Kさん 70歳 女性 富田林市在住

A

 Kさんは、夫のAさん(75歳)と息子のBさん(35歳)の3人暮らしです。Bさんはご結婚間近で、年内にはお嫁さんも同居される予定です。
 仲の良いご家族ですが、Kさんご夫婦は籍を入れていません。というのも、Aさんには戸籍上の妻に当たる女性がいて、Kさんとはいわゆる内縁関係にあるからです。その方はすでに亡くなっていますが、その間に生まれた娘さん(Sさん)がいらっしゃいます。
 Aさんの財産は、ご自宅(評価額5000万円)と金融資産(同4000万円)の計約9000万円です。Aさんは日頃から、Sさんに財産を譲るつもりはないとおっしゃっているそうですが、Kさんとしては実際に相続が起きた時にトラブルにならないか心配です。

○内縁の妻は相続人になれない

 有名人の中にも事実婚や内縁関係を公言しているカップルがいますが、こうしたケースで相続が発生すると法律的にはどうなるのでしょうか。
 残念ながら、内縁の夫・妻はお互いの相続人になることができません。相手方に法定相続人が1人もいないのであれば、「特別縁故者」として財産分与の請求を行うことはできます(本誌2月号ご参照)が、今回のケースですと、ご主人が亡くなってもKさんが財産を受け取ることはできません。
 Aさんが亡くなった場合、戸籍上の妻との間に生まれた子(嫡出子)であるSさんは当然相続人になります。息子のBさんについては、父親であるAさんの認知を受けていれば相続人になることができます。
 ただし、現在の民法では、婚姻関係にない男女の間に生まれた子(非嫡出子)の法定相続分は、嫡出子の半分とされています。つまり、Bさんの法定相続分は、配偶者の子であるSさんの半分になってしまいます。

○Aさんが亡くなった場合の法定相続分

 それでは、Bさんが認知を受けているものとして、法定相続分を計算してみましょう。
 Aさんの相続人は、Sさん(嫡出子)とBさん(非嫡出子)の2人になります。Bさんの相続分はSさんの半分になりますから、SさんとBさんの相続分は、それぞれ2/3(6000万円)、1/3(3000万円)となります。

Aさんが亡くなった場合の法定相続分

 夫婦として一緒に生活してきたKさんには相続権がなく、息子のBさんにも3000万円の権利しかありません。
 生活の場であるご自宅だけでも5000万円です。このままAさんに万一のことが起こってしまうと、ご家族の生活に支障をきたすおそれがあります。

○遺言書の活用と遺留分

 法定相続分は、あくまで目安です。遺言書があれば、法定相続分と異なる配分を行うことや、相続人以外の方に財産を遺すことができます。逆に言えば、遺言書がない場合には、相続人以外の方は財産を受け取ることができませんし、法定相続分に近い形で相続が行われる可能性が高くなります。
 遺言書作成に当たっては、遺留分(法定相続人が最低限相続できる割合)を考慮する必要があります。Sさんの遺留分は1/3です。3000万円と決して少ない金額ではありませんが、仮に遺留分減殺請求(遺留分を侵害された相続人が、相続・遺贈を受けた人に対しその遺留分の範囲で請求すること)が行われても、現在の金融資産額なら何とか支払えそうです。遺言書を活用すれば、少なくとも生活の場であるご自宅をKさんとBさんに遺すことは可能と思われます。
 息子さんのご結婚を前に相続の話はしづらいかもしれませんが、家族が増えるこの機会にこそ、Aさんのご意思を改めて確認された上で、遺言書作成をご検討いただくことをお勧めします。

 Aさんは、KさんとBさんに全ての財産を遺すという内容の遺言書を作成されました。遺留分の問題が残りますが、Sさんから遺留分減殺請求がされた場合には、Aさんの金融資産のほかKさんとBさんの預貯金で対応することにしました。

○最後に

 今回のように、相続人になる方々の間に交流がない場合、あるいは良好な関係にない場合は、ご本人がお元気なうちにできる限りの準備をしておくことが大切です。
 りそなの<遺言信託>では、お客さまのお考えを専門のスタッフがじっくりお聞きし、大切なご家族への思いを実現するためのお手伝いをさせていただきます。

※遺言信託では所定の手数料を申し受けます。審査によりお申込みの意に沿えない場合もございますので、ご了承願います。

(2012年7月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 酒井 英樹氏
平成2年入社。金剛支店駐在。大阪地域(富田林支店・金剛支店・河内千代田支店)担当。休日はリーダーを務めるR&Bバンドでベースを弾くバンドマン。
 
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