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vol.60 相続税の納税資金の確保

Q

自宅のほか、賃貸用マンションや駐車場など不動産を複数所有しています。最近、相続税の試算をしてもらったところ、納税資金が約1億円足りないことがわかりました。相続の時にお金が足りなければ、不動産を売るか物納すれば良いのでしょうか。

Tさん 80歳 男性 世田谷区在住

A

○相続後の不動産売却

 相続税は、相続開始の翌日から10ヶ月以内に申告・納付する必要があります。10ヶ月というと長いようですが、この間に不動産を売却するのは想像以上に大変です。
 相続財産を売るには遺産分割をする必要がありますが、一般的に、相続開始からいわゆる四十九日前後までは相続人自身が忙しく、また相続人の間で遺産分割の話もしづらい雰囲気にあると思われます。
 遺産分割が終わると支払うべき相続税額が確定し、また相続財産の処分が可能になります。投資信託や上場株式などはすぐに売却・換金することができますが、不動産の場合は、物件の調査や価格・条件の交渉といった手続が必要になります。
 相続人としては、納税期限が迫っているので、1日も早く売りたいと考えます。一方、不動産を購入する側というのは、大きな買い物をするわけですから、特別な事情でもなければ焦って買おうとはしません。そのため、時間に余裕がない状況で売ろうとすると、価格交渉で不利になりがちです。

○相続税の延納・物納

 期限を過ぎると相続税に延滞税がかかりますが、なおも売却の見込みが立たない場合はどうなるのでしょうか。
 相続税は、金銭での一括納付が原則ですが、困難な場合には延納も可能です。ただし、「困難な場合」の条件は思いのほか厳しく、納税義務者である相続人の金融資産等(換金が容易なもの)から支払っても不足する場合でないと認められません。
 また、物納は、延納もできない場合に限って認められます。Tさんの場合、マンションや駐車場からの定期的な賃料収入が見込めますので、Tさんの相続人が物納制度を利用できる可能性は低いものと思われます。

○生前の不動産売却

 相続税支払いのために不動産の売却をお考えであれば、生前に売却するという選択肢も検討すべきです。譲渡益に譲渡所得税または長期譲渡所得税がかかりますが、早期に納税資金を確保しておくことで、相続開始後に慌てて売却する必要がなくなります。相続人の負担も軽くなりますし、買い手のペースで売買の交渉が進められてしまう可能性も低くなります。
 不動産の売却代金は、納税のための大切なお金ですから、他の金融資産と区別しておくと良いでしょう。
 例えば、各相続人を受取人とする一時払終身保険によって、それぞれの相続分に応じた納税資金を遺すという方法があります。保険金は預金とは異なり、遺産分割の手続や遺言執行の終了を待たずに比較的短期間で受け取ることができますので、納税準備のために活用されています。また、相続人1人あたり500万円の相続税非課税枠があり、他の金融資産に比べて有利な面があります(将来の法改正により変更の可能性があります)。

○最後に

 リーマンショック以降、不動産価格(公示地価、基準値価格など)は全国的に下落しており、今売るのはもったいないという方は少なくありません。ただ、今後不動産価格が上昇する保証はありませんし、不動産売買は相対取引ですので、慌てず余裕のあるうちに行うことも検討すべきだと思います。
 納税資金を早めに用意しておくことは、ご家族とTさんご自身の安心に繋がるのではないでしょうか。

 りそな銀行では、不動産売買の仲介や遊休地の有効活用に関するご相談を承っております。私たち、りそな銀行のファイナンシャルプランナーは不動産業務の従業者でもありますので、ぜひ一度ご相談ください。

※本記事は平成24年5月1日現在の税制に基づくもので、将来変更される可能性があります。また、個別の税務取扱いについては、税理士等専門家にご相談いただきますようお願いいたします。

(2012年6月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 西山 喬氏
昭和52年入社。首都圏地域(中目黒支店、学芸大学駅前支店、等々力支店)担当ファイナンシャルプランナー。
 
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