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vol.59 障がいのある方を含む相続手続について

Q

家のことをすべて取り仕切っていた主人が亡くなりました。
障がいのある次男もおり、相続手続をどうしていいのか分かりません。
りそなさん、教えてください。

Tさん 70歳代 女性 大阪市内在住

A

 Tさんには2人のお子さま(ご長男、ご次男、どちらも成人)がいらっしゃいます。ご次男は障がいがあり、自分で判断をすることができません(行為能力がありません)。Tさん自身もご高齢のため、ご次男の将来を大変心配していらっしゃいました。

1.おおまかな相続手続の流れ

 相続手続には主に、預貯金についての手続、不動産についての手続、その他(公共料金、年金等)の手続に分類され、ここでは預貯金、不動産の手続について説明します。預貯金については通常、各金融機関に死亡の連絡をすることによって相続手続が開始され、それに必要な書類を提出するよう案内されます。この提出書類の中に「相続手続依頼書」と一般的に呼ばれる書類があり、ここで相続人全員の自署・捺印と印鑑証明の提出が必要になります。相続に係る預貯金が多い場合、「遺産分割協議書」の提出を求められることもあります。また、相続に係る不動産については、この「遺産分割協議書」にもとづいて不動産の相続登記(名義の書き換え)が行われます。これらの書類提出の際には事前に印鑑証明、戸籍謄本、被相続人(亡くなられた方)の死亡を証明するものを用意する必要があります。

2.本件の課題

 相続手続を始めるにあたって必要とされるのは、相続人に意思能力があることです。本件の場合、Tさんはご高齢ではありますが大変しっかりとされており、ご長男も会社員で意思能力に問題はありません。しかし、ご次男には意思能力がなく、手続を進めるうえで対応策を考える必要がありました。

3.成年後見人について

 Tさんは、ご自身がご高齢であるため、いつまでご次男の世話を出来るか、と常日頃から大変心配をしておられました。そこで、今後のことを考え、私からご長男にご次男の成年後見人への就任をご提案しました。これによりご長男がご次男に代わり意思決定を伴う法律行為ができるようになります(例えば銀行での預金引出しなど)。成年後見人には、相続手続に限った一時的な役割に止まらず、将来にわたって成年被後見人をサポートする義務が生じます。銀行の窓口での手続など便利にはなりますが、その後の収支報告事務など、後見人になっていただく方の負担が大きいことも事実です。今回は幸い、ご長男に成年後見人を快くお引き受けいただくことができ、第1の課題は解決できました。

4.遺産分割協議書と利益相反について

 Tさんの件では、ご主人さまの相続財産が預貯金のほかに複数の不動産(自宅、貸家)もあり、相続手続を進めるうえで遺産分割協議書の作成が必要でした。ここでも相続人全員の署名が必要となりますので、成年後見人になったご長男がご次男の署名も代わりに行えばよいと思いがちですが、ご長男とご次男は同じ相続人の立場にありますから、法律上、利益相反の関係となっており、意思能力を失っているご次男の利益を保護する必要が生じます。もし、成年後見人であるご長男が相続財産の配分を恣意的に進めてしまうと、被後見人であるご次男が相続すべき財産までご長男が取得してしまいかねません。そこで、本件のケースではこの利益相反の問題を解決するため、第三者に「特別代理人」となっていただきました。それでもご次男の利益を守る観点から、家庭裁判所ではご次男の法定相続割合を確保した遺産分割協議書の提出が求められました。

5.まとめ

 本件では、Tさんから窓口で相続のご相談をいただいたあと、当社の「相続手続代行サービス(遺産整理業務)」を受任いたしました。このサービスを進める過程で、意思能力を失った相続人であるご次男の問題、利益相反の関係にあるご長男とご次男の問題など、一つひとつの難しい課題を解決しながら預貯金、不動産の相続手続を無事終えることができ、Tさんから大変感謝していただきました。相続手続は一件として同じケースはありません。お客さまごとに手続や配分が異なり、相続人の立場、お考えも違います。また、相続人がお元気ではあってもご高齢のため申告期限までに必要な手続を進めることが困難であったり、お仕事でお忙しく手続を進める時間が作れなかったりと、相続人がお困りになっている例も多く見られます。りそな銀行は受託した遺言信託の執行業務や「相続手続代行サービス(遺産整理業務)」を長年にわたり取り扱っており、大変多くのお客さまの相続手続のお手伝いをさせていただいております。相続に関するお悩み、お困りのことがあれば、お近くのりそな銀行までお気軽にご相談ください。りそな銀行すべての営業店でご相談を承っております。

※なお、「相続手続代行サービス(遺産整理業務)」では所定の手数料を申し受けます。また、審査によりお申込みの意に沿えない場合もございますので、ご了承願います。

(2012年5月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 久保田 真史氏
平成6年入社。吹田支店駐在、吹田エリア担当。
2級FP技能士。スノーボードをしながら息子のスキー指導を行うことが趣味。
 
遺言信託及び相続手続代行サービスに関するお問合せは
りそなグループのお取引店もしくは最寄りの支店で承ります。
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