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vol.58 お子さまへの贈与

Q

 この春、初孫に当たる長男の娘が大学に入学しました。高校生の息子もいて大変だと思うので、長男に1,000万円程度を渡して孫たちの学費の足しにしてもらいたいと考えています。私も妻もいつまで元気でいられるかわからないので今すぐ全額渡すべきか、それとも少しずつ渡すべきか迷っています。

Uさん 70代 男性 東京都江戸川区在住

A

 お孫さまのご入学、おめでとうございます。うれしいニュースですが、一家の大黒柱である長男さまにとっては、これから数年が一番大変な時期になるかもしれませんね。
 贈与に関するご相談は非常に多く、Uさんのようにお子さまのマイホーム購入や教育費などへの援助、相続対策の一環としての生前贈与など、金額も目的もさまざまです。

◯贈与の方法と税制

@一般的な贈与(暦年課税)
 一般的に、年間110万円を超える分の贈与には贈与税がかかります。贈与する金額が大きくなるほど税率も高くなりますので、お孫さまの学費の足しにということであれば、一度に渡さず、「毎年春に渡す」などと決めても良いかもしれません。
 例えば、1,000万円を贈与するとして、一度に渡す場合の贈与税は231万円ですが、お孫さま2人が四年制大学に通うとして毎年125万円を8年間で贈与する場合は12万円(1年あたり15,000円)になります。
 一方、少しずつ渡すデメリットとしては、贈与が完了するまでに時間がかかること、毎年税務申告をする手間がかかることが挙げられます。また、途中でUさんに万一のことがあった場合には、贈与税ではなく相続税の対象になります。これについては後で説明しましょう。

A相続時精算課税の利用
 お子さまへの贈与の手段として、相続時精算課税制度という選択肢もあります。この制度は、相続時に贈与した金額を相続財産に合算して相続税額を計算するもので、通算で2,500万円まで贈与税が非課税になります。
 ただし、相続時精算課税を選択すると、以降は少額の贈与でも贈与税がかかるようになります(年間110万円の非課税枠がなくなります)。また、贈与された財産は最終的に相続財産に合算されるため、場合によっては結果として支払う税額が高くなる可能性があります。
 相続税がかかるほどの財産をお持ちでない方や、相続を待たずに確実に贈与を行いたい方などにとっては、メリットのある制度と言えるでしょう。

◯相続になる場合

 贈与が終わらないうちにあげる人が亡くなってしまった場合、贈与するはずだった財産は相続税の対象になります。また、亡くなる直前(3年以内)に贈与した財産も相続財産とみなされます(支払い済みの贈与税分は控除されますので、二重に取られるわけではありません)。
 贈与税と相続税の税率は他の財産状況などによっても変わってきますので、どちらが高いと一概には言えませんが、相続の場合は他の相続人の利害も絡むため、結果として予定していた金額を渡せなくなる可能性があります。

◯お子さま名義の預金について

 最近、相続時の口座凍結に備えて葬儀費用を子どもなどの家族名義で確保したいといったご相談をよくいただきます。これも贈与の方法の一つと言えると思いますが、注意すべき点があります。
 そもそも「贈与」は、あげる人ともらう人との合意によって成り立つものです。そのため、親が一方的に子ども名義の口座に預金しただけでは、贈与とみなされない可能性があります。具体的には、子ども側に贈与されたという認識があるか、預金通帳や印鑑を誰が管理しているかなどで判断されます。
 贈与として認められなければ、実質的には親の財産ということになりますので、預金の時期にかかわらず親が亡くなった時に全て相続税の課税対象になります。

◯最後に

 贈与税や相続税について述べてきましたが、税制上のメリット・デメリットだけでなく、長男さまとお孫さまに喜んでもらえる方法を選ぶことが最も大切だと思います。
 また、他のご家族も含めて後々トラブルが起こらないように気を配ることも大切です。他のお子さまにもお孫さまがいらっしゃる場合には、少し早めに今後のことを決めておいた方が良いかもしれません。今すぐ贈与しなくても、遺言や終身保険といった方法もあります。
 今回の贈与を機に、ご家族の状況を振り返り、Uさんがお持ちの財産を最終的にどうしたいか、考えてみてはいかがでしょうか。

本記事は平成24年3月1日現在の税制に基づくもので、将来変更される可能性があります。また、個別の税務取扱いについては、税理士等専門家にご相談いただきますようお願いいたします。

(2012年4月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 野田 朗氏
1級FP技能士。昭和62年入社。
首都圏地域(江戸川南支店、小岩支店)を
担当。
 
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