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vol.57 収益用不動産をお持ちの方の相続

Q

 3年前に長男が亡くなり、孫とも音信不通になってしまいました。子どもは他に二男と長女がおり、トラブルを避けるため遺言書を遺そうと思います。賃貸用マンション(ローン有り)を所有しており、近くに住む二男に後を頼むつもりです。遺言書に「マンションとローンを二男に相続させる」と書けば良いのでしょうか。

Tさん 70代 男性 大阪府豊中市在住

A

○債務を"相続"させるには?

 遺言書で相続する人や配分を指定するのは、通常はプラスの財産についてのみです。債務を引き受けてもらう人を指定するというのは、あまり一般的ではありません。
 「ローンを二男に引き受けさせる」と遺言書に書いても、実際には、相続があってから債権者(銀行)が審査を行うことになります。相続がいつ起こるかは誰にもわかりませんので、その時の状況や財産配分などによっては、遺言通りにならない場合もあります。
 そうは言っても、債務のことはやはり気に掛かるものです。実際の遺言書では、遺言書の本文ではなく付言事項で、「二男へ。マンションのローンが残ると思いますが、返済をお願いします。」といったメッセージを伝える方が多いです。
 付言に法的な効力はありませんので、円滑な相続を実現するためには、付言だけでなく財産配分などを工夫する必要があります。

○注意すべき点は?

 相続財産に債務(住宅ローンのように万一の場合に保険金で相殺される債務は除きます)が含まれる場合の遺言について、注意すべき点を申し上げます。
 まずは、債務を引き受ける二男さまが十分な返済能力を持つような財産配分を考えます。アパートマンションローンの返済原資は賃料による収益ですので、基本的には対応する不動産もセットで相続させます。"平等"な配分を意識して相続人全員の共有にしようと考える方もいらっしゃいますが、修繕などが円滑にできなくなるおそれがある上、次の相続でさらに利害関係者が増えて複雑になるため、安易な共有はあまりお勧めできません。
 不動産だけでなくある程度の金銭も必要です。タイミングによっては、相続した直後にまとまった修繕費が必要になるということもありえます。修繕積立金に当たるお金はあらかじめ他の預貯金などとは区別しておき、不動産を相続させない人に配分してしまわないよう注意しましょう。
 結果として二男さまの相続分が大きくなるかと思いますので、遺留分についても考慮しなければならないかもしれません。遺留分侵害が必ずトラブルになるわけではありませんが、Tさんの場合は音信不通になっているお孫さまに遺留分減殺請求権があるため不透明な状況です。ローンの返済により債務が減っていけばその分遺留分も大きくなる点にも注意が必要です。

 りそなのファイナンシャルプランナーによるコンサルティングの結果、Tさんは、マンションの土地・建物と金融資産の大半を二男さまに、残りの預貯金を長女さまに遺すことに決め、公正証書遺言を作成されました。
 遺言書の作成に当たっては、年末年始を利用して家族会議を開き、葬儀や各種手続、そしてお孫さまから遺留分減殺請求があった場合の対応などを二男さまに頼むことにしました。二男さまも、遠方に嫁いだ長女さまも、お父さまのお気持ちを理解し、配分に納得されています。
 また、Tさんは、二男さまを受取人とする一時払終身保険にも加入することにしました。二男さまに遺す預貯金の一部を保険金にすることにより、遺産分割手続を待たずにまとまった現金を受け取ることができ、葬儀・法要など当座の出費に充てられます。

○相続から見た不動産

 国税庁統計年報(平成21年)によると、相続財産額の約55%が不動産であり、相続と不動産は切っても切れない関係にあると言えます。
 りそな銀行では、お客さまの不動産に関するお悩みについて将来の相続を含めて総合的に診断し、不動産の売買、土地の有効活用、アパートマンションローンなど最適なご提案をさせていただきます。
 ぜひ一度、お近くの支店にご相談ください。また、各店では担当ファイナンシャルプランナーによる個別相談会も行っております。当社ホームページからも日程をご確認いただけますので、ぜひご利用ください。

(2012年3月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 大野 浩史氏
平成元年入社。豊中支店駐在。
豊中支店、豊中服部支店、箕面支店を担当。ニックネームはおおちゃん、宴会部長。
 
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りそなグループのお取引店もしくは最寄りの支店で承ります。
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