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vol.53 予備的遺言の活用

Q

 私たち夫婦には子どもがいません。子どもがいない場合は遺言書を作っておくと良いと聞きましたが、もしも配偶者が先に亡くなったら、遺言書は無駄になってしまうのですか。そうならないためにはどうすれば良いのでしょうか。

Y子さんご夫妻 大阪府柏原市在住 60代

A

 遺言書がない場合の相続は、法定相続人の間の話し合い(遺産分割協議)で配分を決めることになります。お子さまがいなければ、配偶者の他は直系尊属、兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥姪)の順位で法定相続人になります。配偶者が亡くなった後で、配偶者の親族と遺産分割について話をするというのは、多くの方にとって精神的負担になるのではないでしょうか。無用のトラブルを防ぐためにも、遺言書を作成することをお勧めします。
 それでは、配偶者に一切の財産を相続させるという遺言書を書いたものの、配偶者の方が先に亡くなってしまったとしたら、財産はどうなるのでしょうか。
 民法によると、遺言者の死亡以前に受贈者(財産を受け取る人)が死亡した場合、遺言書の該当する部分については無効になります。つまり、遺言書によって特定の人に相続させるとしていた財産は、その相続人等の死亡によって、行き先がなくなってしまうことになります。
 相続する人が指定されていない財産を誰が相続するかについては、遺言書がない場合と同様に遺産分割協議で決めることになります。

○転ばぬ先の予備的遺言

 配偶者のように、財産を遺したい相手が同年代かそれ以上である場合には、「予備的遺言」を入れることをお勧めします。予備的遺言とは、指定相続人等が死亡していた場合に備えて、次の相続人等を指定しておくというものです。
 予備的遺言の例を見てみましょう。

予備的遺言を付した遺言書の例

第一条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を遺言者の夫●●に相続させる。

第二条 遺言者は、遺言者の死亡以前に夫●●が死亡(同時死亡を含む)した場合、遺言者の有する一切の財産を遺言者の義弟△△に包括して遺贈する。
・・・

 上の例では、第二条が予備的遺言に当たります。予備的遺言に該当する事実(配偶者の死亡)が発生すると、相続開始と同時に予備的遺言で指定された相続人等(遺言者の義弟)に権利が移転します。予備的遺言で指定した方が生きていれば、遺言の無効を回避することができます。
 もっとも、先のことは誰にもわかりませんので、予備的遺言で指定した方が先に亡くなる可能性もあります。遺言者のご意思や本来の相続人の年齢などにもよりますが、一般的には若い世代の方を指定しておくのが妥当だと言えるでしょう。

○遺言者の大切な方のために

 相続人が亡くなっている可能性を念頭に置いて、遺言書を書くことに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。お客さまの中には、相続人が亡くなった時点で遺言書を書き替えれば良いのではとおっしゃる方もいますが、実際に変更の必要が生じるまで、遺言者がお元気でいられるとは限りません。意思能力を喪失してしまうと変更や撤回も難しくなってしまいます。二度手間にもなりますから、予備的遺言を利用することをお勧めします。
 配偶者が先に亡くなると法定相続人がいなくなってしまうケースでは、有効な遺言書がないと大変複雑な手続になることが想定されます。
 たとえば、お世話になった配偶者の親族など法定相続人以外に財産を遺したい、公益団体などに遺贈したいなどといったご意向がありましたら、予備的遺言で指定しておくことでお悩みは解消されるかと思います。

 なお、予備的遺言は、お子さまが複数いらっしゃる場合にも有効です。たとえば、「自宅は妻に相続させたい。もしも妻が先に亡くなっていたら、同居して世話になっている長男に遺そう」といった使い方ができます。

りそな銀行では、「いい夫婦のいい遺言」キャンペーンを実施しています。詳しくは店頭のチラシをご覧いただくか、下記フリーダイヤルまでお気軽にお問合せください。

(2011年11月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 松本隆政氏
平成22年4月より
大阪地域(市外南)担当
八尾支店駐在FP
社内ニックネーム
「お父さん」
 
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りそなグループのお取引店もしくは最寄りの支店で承ります。
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