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Vol.32 孫など子供以外にお金を遺す方法は?

Q

孫は私の家に同居しながら介護関係の仕事をしていますが、職場が変わることもあり収入も少なく蓄えもないようです。私が万が一のときはお金を残してあげたいと思っていますがどうしたらよいでしょうか。

葛飾区在住 70代 女性

A

「介護」を産業と捉えた場合、少子高齢化が著しく進行する日本では将来有望なサービス分野であるにもかかわらず、携わる方々の労働環境は大変厳しいようです。
質問者の場合、安心して福祉の仕事に専念できるようにしてあげたいとの思いからのご相談ですが、今回はお孫さんが法定相続人ではないことに注意しながら、3通りのお金の遺し方を考えてみます。

1. 贈与による場合

ご自身がお元気なうちに現金を贈ることでご自身の気持ちを伝えることもでき、相手の喜ぶ顔を見ることもできます。ただし、税率は相対的に高く非課税金額も年間110万円と小額です。相続人が多い場合、この非課税金額範囲内で毎年贈与を繰り返すことで相続財産を圧縮される方もいます。

2. 遺言による遺贈

次に遺言を作成し、相続財産の受取人にお孫さんを指定することでお金を遺すことができます。本人の子供が健在な場合お孫さんは相続人ではないので、相続が起きても遺産分割協議に加わることができませんが、遺言を作っておけば遺産分割協議に優先しますので財産を受取ることができます。この場合課税関係は相続税となり、非課税枠は「5000万円+相続人の数×1000万円」となります。ただし相続税がかかるケースで、配偶者や子供以外の方が財産を受取る場合は相続税額の20%が加算されますのでご注意ください。

3. 生命保険

さらに、生命保険の保険金受取人をお孫さんに指定する方法があります。相続が起きたとき金融機関の預貯金が凍結されてしまうことはよく知られていますが、死亡保険金であれば指定された受取人からの請求により比較的短期間で受取ることが可能です。ただし受取人に指定できるのは一般的に2親等以内の血族とされていますので注意が必要です。相続人が受取人の場合、非課税枠は「500万円×法定相続人の数」(相続税法12条)となりますが、このお孫さんの場合は対象となりません。


次に、生命保険についてさらに詳しく説明いたします。

●「みなし相続財産」

生命保険金は「みなし相続財産」とされ、被相続人の財産ではなく、受取人の固有の財産と考えられています。言い換えれば「生命保険金は相続財産には含まれない」ことになり、遺言があっても別に生命保険金で財産を遺すことができます。ただし、生命保険金を受取る、受取らないで相続人間で争いが生じる可能性があることに注意が必要です。

●一時金と年金受取

生命保険金の受取方法には一時金と年金形式があります。一時金は文字通り一括で受取りますが、年金形式は契約時に年金支払特約を付加することで死亡保険金を分割で受取るものです。「一度に大金を手にするのは、本人にとってよくない。」とお考えの向きには年金支払がよいかもしれません。

*定期金評価に関する22年度税制改正
21年12月に閣議決定された税制改正大綱で、「定期金に関する権利の相続税および贈与税の評価」が大幅に見直しされることになりました。これは従来生命保険金等を特約により一時金に代えて年金形式で受取る場合、受取総額に対して最大80%の評価減が可能だったものを見直すもので、23年4月以降の相続・贈与ではほとんど圧縮ができません。

まとめ

今回の相談も相続対策の一種と考えられます。どの方法もメリット・デメリットがありますが、複数の方法を組み合わせて利用してみたらよいでしょう。でも一番大事なことは、あなたの気持ちを「メッセージ」として具体的に伝えることです。生命保険金は比較的簡単にお金を遺せますが、「思い」を書く欄はありません。一方遺言には、自由に「思い」を書くこともできます。両方を併用することでお互いの機能を補完できます。どんなケースであれ「思いを伝える」ことに勝る相続対策はないと思いませんか?

(税務の詳細につきましては所轄の税務署や税理士等の専門家にご相談ください)

(2010年2月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 田島篤志氏
1級FP技能士。平成21年10月より王子支店FPデスク担当。
 
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