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Vol.29 法定後見人と任意後見人の違いについて教えてください。

Q

私達夫婦には子供がなく、今は2人とも元気ですが、今後年老いていって万が一自分達が認知症等になった時どうすれば良いか、すごく不安です。そのような時、成年後見人を立てれば良いと聞きました。また、認知症等の発症前でも事前に制度利用ができるとも聞きましたが、具体的にはどうすればよいのでしょうか?

豊中市在住 70代 ご夫婦

A

「成年後見制度とは」

精神上の障害が理由で判断能力が不十分な人が経済的な不利益を受けることがないように、支援してくれる人をつける制度です。精神上の障害とは、知的障害や精神障害、認知症などで身体上の障害は含まれません。成年後見制度を利用すると、判断能力の不十分な人は財産管理と身上監護等を受ける事ができます。また、支援している人・支援できる内容は何か、といった事柄が登記されますので、支援する人の成年後見人としての地位が公的に証明されます。

「成年後見制度には、どのようなものがあるのですか?」

Aさんご夫婦からは「自分達は元気で各々の判断能力は問題ないので制度利用は無理ですね」との質問を受け以下の説明を行いました。
成年後見制度は大きく分けると、法定後見制度と任意後見制度の2つがあり、その違いの1つとして本人の判断能力の状態があります。

法定後見制度の場合

現に判断能力が不十分であることが必要であり、判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3種類に分けられ、本人の精神上の障害の程度によって区別されます。後見人や保佐人といった保護者となる人が判断能力の低下した人をサポートしていきます。法定後見人に認められる権限は、「代理権」「同意権」「取消権」で本人の生活を尊重しながら、3つの権利が家庭裁判所で各々付与されます。たとえば、法律行為の一種である契約では、お年寄りが介護施設に入所している場合に、そのお年寄りの子供であってもお年寄りが所有する自宅を勝手に売買する事はできませんし、要介護認定を受け利用する介護サービス契約も、本人とサービス提供業者との間で契約される場合には、本人以外の者が本人名義で契約する事は出来ません。このように売買やサービスを受ける契約は、本人が行うのが原則であり、契約時に本人の判断能力が低下しているような場合には、法律行為(契約等)を行う意思決定が難しいこともあるのではないでしょうか。そのような時、成年後見人等がついていれば本人の介護を受ける権利を守り、より手厚い看護を受ける為に資金が不足するようなケースの場合、家庭裁判所の審判が必要ではありますが、本人に代わって自宅の売買契約を行う事もできます。このように判断能力が不十分な方々を保護し、支援することができるのが成年後見制度等なのです。

任意後見制度の場合

契約時には本人に判断能力が必要です。本人に十分な判断能力があるうちに、将来判断能力が低下した時点の利用を考えて、あらかじめ自ら選んだ代理人(任意後見人)を準備しておく予約型が任意後見契約の基本型です。法定後見制度の場合、ある程度は法的に行う範囲が定められていますが、任意後見制度の場合は、本人と任意後見受任者との間で自由に内容を定める事ができるオーダーメードの契約が原則です。任意後見人が行う仕事の内容は、任意後見契約で締結した事柄についての代理権が付与された法律行為に関する内容となります。ただ勘違いし易い事として、介護サービスや食事の世話等を提供する行為は職務でなく、そのようなサービスを受ける為の法律行為(契約)によって身上監護を行う事が職務です(一部自由度はあるものの、職務等は成年後見人等と同様に、本人の財産管理に関する事や身上監護に関する事です)。

任意後見制度利用について

以上の説明よりAさんご夫婦から続いて、「万が一のことに備えて任意後見制度を利用したいが、子供もなく信頼のおける親類もいない場合どうすればよいのか」との質問がありました。りそな銀行では「成年後見制度取次サービス」を行なっており、Aさんご夫婦と同じような悩みのある方に対してはお客さまのご依頼に基づき、第三者機関として司法書士により形成された(社)成年後見センター・リーガルサポートをご紹介させていただいております。(任意後見制度のご利用は、お客さまの判断による後見人との契約となります。)制度利用の流れは、以下の通りです。@リーガルサポート会員司法書士のご紹介、事前のご相談 A任意後見人の選定と依頼する内容の決定(将来自己の判断能力が不十分になった時、どのような後見を受けたいかを決定します。)B任意後見契約締結、公正証書の作成及び登記(任意後見契約の際には公正証書を作成する必要があります。その内容を公証人が法務局に通知し、法務局は定まった方式に従い後見登記等ファイルに記録します。)C一般的に任意後見契約に見守り契約を付与することにより今後の状態を定期的に観察してもらいます。D本人が精神上の障害により判断能力が十分でない状況になった時、任意後見受任者が自分の後見事務を監督する任意後見監督人の選任を家庭裁判所に選任申立をします。E家庭裁判所より任意後見監督人が選任、契約内容が遂行され、ここで初めて後見人としての事務が始まります。F任意後見監督人は任意後見人の後見事務を定期的に家庭裁判所に報告します。
最後にAさんご夫婦は、既に夫婦で遺言を作成されておられましたが、特に子供さんがいないご夫婦の場合、老後の備えと自分の死後の備えを考えて後見契約に関する専門家のアドバイスを受けられることをお勧めします。

(2009年11月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 南秀一氏
1989年入社。2級FP技能士。2008年よりPB業務に携わる。現在、大阪地域担当FP。
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