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Vol.27 相続人関係が複雑な場合の相続手続きは?

Q

Aさん「私は過去に三度結婚しています。最初の妻との間に娘が一人(出生後、すぐに知人の養女にしました)、二人目の妻との間に娘が二人、三人目の妻との間には子供がいません。現在は三人目の妻とも離婚して一人で暮らしているのですが、万が一私が亡くなった際に、相続手続きが大変だと思いますので遺言書を遺しておこうと思います。どのような点に注意して遺言書を作成すればよいでしょうか?」

神戸市在住 70代 男性

A

まずは「法定相続人」の推定を行う。

ここで、最初に検討しなければいけないのは、最初の妻との間に生まれた娘さん(以下Bさん)を出生後すぐに知人の養女にした点です。もちろん、BさんはAさんの実子であるので相続人となるのですが、万が一、BさんがAさんの知人との間で「特別養子縁組」をしていた場合については注意が必要です。この場合、BさんとAさんは親族関係が絶たれることから、BさんはAさんの法定相続人からは除外されます。今回のケースでは、Bさんは「特別養子縁組」はしていませんでしたので、Aさんの法定相続人となります。よって、Aさんの法定相続人はBさんと、二人目の妻との間に生まれた娘二人(以下、Cさん、Dさん)の計三人となります。

「相続予定財産の配分」を行う

今回のケースで、Aさんの主な財産は自宅マンション(評価額:5,000万円)と預金1億円の計1億5,000万円。よって、各人の法定相続割合は5,000万円ずつとなりますが、問題は自宅マンションを共有にて相続させると、将来的に売却する際に面倒になることなどから、通常一人が単独で相続するほうがよいでしょう。そうなれば残りの預金1億円を5,000万円ずつ相続するとすれば、各人が5,000万円ずつ相続することとなり娘三人が金額的には平等に相続できるということになります。しかし本当にこれでよいでしょうか?

「相続税の支払いが問題」

例えば、Bさんが自宅マンションを相続するとします。今回のケースでは相続税の支払いが必要だと思われますので、基本的に財産の取得割合に応じて相続税を支払う必要が生じます。ただ、Bさんは自宅マンションを相続するため、マンションを売却でもしない限り相続税の支払いについてはBさん自身の財産から支払う必要が生じてきます(相続税は原則、金銭にて一括納税することとなっています)。この問題を解決するには次のような方法があります。

「相続税納税資金を保険にて確保する」

今回のケースの場合、Bさんが負担する相続税は約300万円(相続税総額:900万円×5,000万円/1億5,000万円)です。そこで、終身保険(A:契約者、A:被保険者、B:受取人)に加入をし、Bさんの相続税納税資金を保険にて確保するようにします。また、同様にCさん、DさんについてもBさんと同様に保険金を受取りできるようにしたらいかがでしょうか。(今回のケースでも1,000万円の終身保険に加入したものとします)。ところでもしもAさんが「Bさんの法定相続分を全て保険で残したい」という場合だとどうでしょうか?

「生命保険金は相続財産にならない」

例えばAさんがBさんを受取人とする生命保険に5,000万円加入し、「Bには保険金にて財産分与するので、相続時に一切財産を引き継がない」という遺言書を遺すとします。 この場合、注意しなければならない重要なポイントがあります。それは、「生命保険金は相続財産ではなく、受取人たる相続人の固有の財産」(家裁審判例)とされていることです。これは「Bさんが受取予定の保険金は相続財産に含まれない」ということです。万が一、Aさんの死後Bさんより「私は何も財産を相続してないので、遺留分に相当する財産は請求します。(遺留分減殺請求)」となると、Cさん、Dさんとの間でもめることとなります。よって、この場合は「あまりお勧めできません」ということになります(ただし、生命保険金の相続における取り扱いについては、様々に議論が分かれる点ですので、実際にはケースに応じて専門家に相談することをお客様にお勧めします)。

「最後は遺言書で!」

以上のことを踏まえて、最終的な財産の配分は「Bさんには自宅マンション。Cさん、Dさんには金融資産を二分の一ずつ。その他の財産はBさんに相続させる。」とされたらよいのではないでしょうか。相続予定財産額はBさん5,000万円、Cさん、Dさん各4,500万円。若干Bさんの相続分が増えることになりますが、もしもAさんの思いとして「親として今まで何もしてあげられなかった」ということがあれば、最後に遺言書の気持ちを付言事項で記すことをお勧めします。遺族の心に響く遺言書を作成するために、付言事項は「愛のメッセージ」となる点についても、忘れてはならない重要なポイントだと思います。(本ご案内では、一般的な事項をご説明しておりますので、詳しくは弁護士、税理士等の専門家にご相談下さい。)

(2009年9月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 楠本真久氏
1991年入社。
2級FP技能士。
宅地建物取引主任者。
2007年よりPB業務に携わる。
現在、大阪地域担当FP。
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