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Vol.26 相続人に不在者がいる場合の相続手続きについて

Q

「相続人に行方のわからない者がいるが、相続手続きはどうしたらよいのか?」

横浜市在住 60代 男性

A

相続はいつ起こるかわかりませんが、相続開始時点で相続人のなかに行方のわからない方(以下「不在者」という)がいた場合において、相続手続きとしての遺産分割協議はどうしたらよいのかについてポイントをまとめてみました。

1. 大きくは2通りの方法

1つ目は「不在者財産管理人」を選任して不在者に代わって遺産分割協議に参加して手続きを行う方法があります。2つ目は不在者の「失踪宣告」を行い、不在者が死亡したものとして不在者の法定相続人が同人の地位承継者として遺産分割協議に参加して手続きを行う方法があります。

2. 申し立てについて

いずれの方法を利用する場合でも、不在者以外の相続人から不在者の直前の住所地の管轄の家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。申し立てを行ってから家庭裁判所に認められるまでの期間は、「不在者財産管理人」の選任の場合には3ヶ月から6ヶ月、「失踪宣告」の場合には約1年程度かかることになっています。

3. どちらの方法で対応すべきか

ではこの2つの方法の選択についてはどう考えたらよいのでしょうか?不在者が行方不明と認識されてから、どれだけの期間が経過しているのかによって考える必要があります。行方不明と認識されてから7年以上経過すれば「失踪宣告」の対象となりますが、7年未満では対象外です。よって不在者が行方不明となってから7年未満の場合には「不在者財産管理人」の選任、7年経過している場合には「失踪宣告」による手続きが原則となります。なお7年以上経過している場合でも、遺族の感情やその他の諸事情などから死亡扱いすることに問題が生じる場合などには「不在者財産管理人」の選任の手続きによることになります。

4. 注意事項について

ここでそれぞれの手続きでの注意事項を申し上げます。「不在者財産管理人」の選任の場合には、単に管理人が家庭裁判所に認められ選任されただけでは、遺産分割協議ができることにはなりません。「不在者財産管理人」はあくまで不在者の財産を管理するだけの権限しかないため、遺産分割協議に参加するためには、さらに家庭裁判所に「不在者財産管理人の権限外行為」の許可を取る必要があるのです。この許可は申し立てから約3ヶ月程度かかります。さらに「不在者財産管理人」の選任、「不在者財産管理人の権限外行為」の許可のいずれの申し立てにおいても、添付資料として遺産分割協議(案)を提出する必要があります。したがいまして申し立ての時点では、不在者以外の相続人間で遺産分割協議が実質的に終了している必要があります。この場合、不在者の配分は法定相続分が確保されていなければ家庭裁判所に認めてもらえません。
一方「失踪宣告」の場合には、不在者が死亡したものとして手続きをするため、不在者の相続も開始されることになります。したがいまして、元々の相続の遺産分割協議には不在者の法定相続人が地位承継者として参加し、同時に不在者の財産については、不在者の法定相続人において遺産分割協議を行っていく必要があるのです。

最後に

いずれの方法も煩雑な手続きですから、万が一相続人に不在者がいる状態で相続が開始された場合には、速やかに所轄家庭裁判所に具体的な手続きについて確認していただくことをお勧めします。

(2009年8月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 近藤哲央氏
昭和61年大和銀行入社。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅建主任者
現在神奈川地域担当
横浜西口支店駐在
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