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Vol.21 遺産分割後に遺言書が見つかったら

Q

父の死亡後、母を含めて兄弟三人の相続人で、父の遺産である株券や宅地、家屋などを分割しました。ところが、たまたま父の机を整理していたら、遺言書が出てきました。遺言書には、遺言執行者の指定はありませんでしたが、分割協議によって成立した財産の分割方法と違うことが記載されておりました。前の遺産分割協議は無効となるのでしょうか。

大阪府在住会社員 48歳

A

遺言は、遺言者の最終の意思であり、尊重されなければなりません。したがって、遺言があるときは、遺言の内容が優先することになります。
ところで、遺言の存在を知らないで遺産分割の協議が成立したとしても、遺言に反する部分は無効となります。
しかし、相続人全員が合意で、遺言と反する協議をそのまま維持しようとすることもあり得るでしょう。
この場合、遺言の指示通り分割してあらためて相続人間で前に協議したとおり相互に遺産の移動をするなどの、わずらわしい手続きをとる必要はないと思います。遺言者の意思を相続人の意思に優先させる必要はないからです。
もし、その遺言に遺言執行者が指定されているときは、「相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない(民法1013条)」ことになっていますから、あらためて遺言執行者の手によって再分割をせざるを得ないかもしれません。この場合、相続人の自由な合意による分割協議の成立により、その意思を尊重して、遺言執行者は、遺産分割協議を追認することができるものと考えられ、追認によってはじめから有効となると思います。
しかし、遺贈の目的物の処分については、追認によって有効となることはありません。
相続人のうち一人でも遺言をたてにとり、遺産分割についてクレームをつけたときは、再分割の協議、遺言の執行をあらためてする必要があります。
この場合、すでに遺産分割も終わり、特定の財産を処分してしまった場合はどうなるでしょう。相続人間で新しい有資格者がいない場合は、相続人間で他の共同相続人に対して、一般の売買で売主が買主に対して負うと同様の担保責任を、その相続分に応じて負うことになっています。(民法911条以下)。
相続人を信用して財産を譲り受けた第三者に対し、取引の安全の見地から迷惑をかけられません。
遺言によって、特定の財産について第三者に遺贈する内容の遺言であったときなどは、新しく有資格者が増えることになります。
遺産分割の協議が調停でなされているときは、調停条項は確定した審判と同一の効力を生ずることになりますが、後日、遺言書が発見された場合、調停による遺産分割でも、相続人および有資格者の遺産の精算を目的とする私法上の契約であることは否定できませんので、後日、発見された遺言書の内容と違うときは、相続人の一人は意思表示の瑕疵などの理由で無効または取り消すことができるというべきでしょう。

(2009年3月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 宮川忠和氏
1982年入社
相続コンサルタント。
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