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Vol.20 円満な遺産分割の方法と秘訣

Q

親戚が相続で大変もめたという話を聞きましたが、スムーズに遺産分割をするにはどのような方法があるのでしょうか。

八王子市在住 52歳 女性

A

遺産分割には4つの方法があります

遺産がすべて現金や預貯金なら、頭を悩ませずとも相続分どおり簡単に分割することができます。しかし、現実には遺産の多くは宅地であったり、農地であったり、家であったりして、一筋縄ではいきません。そこで相続人全員が納得できるよう、できるだけ公平に遺産を分けるテクニックが必要になってきます。遺産の具体的な分割方法には、主に次の4つがあります。これらの方法をうまく使い分けて遺産分割することになります。

(1)現物分割
財産をそのままの形で分割する方法です。たとえば、自宅の土地と建物は長男に、株式と預金は次男に、という具合です。
遺産分割の原則的な方法ですが、財産の価額には通常は格差がありますので、この方法だけでは相続分どおりに分割するのは難しいといえます。
(2)換価分割
財産を売却し、金銭にして分割する方法です。公平な分割が可能ですが、事業用資産など処分できない財産には使えません。また、売却益に対して譲渡所得税がかかります。
(3)代償分割
相続人のひとりが財産の全部あるいは価額の高い財産を取得する代わりに、他の相続人に対して相続分を超える部分の対価を支払うという方法です。たとえば、1億円の住宅店舗と2000万円の預金があり、長男と次男の2人が相続人とします。兄弟の相続分はそれぞれ6000万円です。この場合、長男が住宅店舗、次男が預金を相続し、長男が次男に対して4000万円を支払えば帳尻が合います。
このように、代償分割は事業用資産などの分割しにくい財産の対処法としてよく用いられますが、支払者に相応の資力があることが前提となります。
対価の支払いは金銭で支払う方法のほかに、その相続人がもともと保有していた不動産や株券などの現物を交付する形もあります。ただし、この場合は譲渡所得税がかかるので注意が必要です。
(4)共有とする分割
各相続人の持分を定めて、共有で取得する方法です。不動産などを公平に分割するには手軽な方法ですが、共有者全員の合意がなければ売却できないなどの制約があり、のちにトラブルを生む可能性があります。

以上のように、それぞれの方法には−長一短があります。どれかひとつの方法に限定する必要はありません。財産の性質や個々の事情などを考慮し、上手に組み合わせて下さい。

円満に遺産を分ける秘訣とは?

遺産分けで争いたくないのは誰もが同じはずです。それでも現実に“争族”は起こっています。それぞれの相続人がどんな姿勢で臨んだらよいのか、スムーズに協議を進めるための4つのポイントをあげてみたいと思います。

(1)法定相続分を尊重する
法定相続分は公平に遺産を分割するための基準です。相続人それぞれの思惑が暴走しないよう、これをひとつの「たが」とし、良識をもって協議を進めましょう。
(2)相続分にこだわりすぎない
前述の(1)と矛盾するようですが、相続分きっちりの分割にこだわりすぎると、なかなか話は進みません。多少のデコボコは多めにみるくらいの寛容さがあったほうが、協議はスムーズにすすみます。(もちろん強制はいけません)
(3)各人の事情を考慮する
たとえば、農地をバラバラに分割してしまっては、後継者の生活は成り立ちません。代償分割で解決できればよいのですが、それに見合う金銭を一度に支払えない場合もあります。こんなときは、たとえば代償金を分割払いにしたり、ほかの相続人がそれぞれ相続分を多少譲歩するなど、みんなで知恵を出し合って解決の糸口をみつけましょう。相手の立場を思いやることが、円満な遺産分割とするためにいちばん大切なことです。
(4)相続税を考慮する
遺産分割では、相続税とのからみを無視することはできません。全体として税負担が軽くなる分割方法(たとえば配偶者の税額軽減の活用)や、各人が納税資金を確保できるような財産の分配、さらには二次相続までを考慮した分割が必要です。これらのことは、やはり税理士などの専門家に相談するのがよいでしょう。

納税のために取得財産を売却しなければならない相続人が出るときは、その売却費用や譲渡所得税などの負担分を考慮することが必要です。

(2009年2月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 橋本 竜人氏
1981年入社 2004年よりファイナンシャルプランナーとしてPB業務に関わる。
平成20年10月25日放送のNHK総合テレビ「家計診断」(毎週土曜日午前9時生放送)の「遺言」について出演。現在、多摩地域担当FP。
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