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Vol.17 遺贈と相続税

Q

私には嫁いだ娘が二人おり、亡夫から引継いだ遺産が約1億円あります。この度、一部の財産(亡夫の郷里にある不動産)を義弟(亡夫の弟)へ譲りたいと考えています。遺言書を作っておけば大丈夫でしょうか。又、相続税がどのようにかかるのか教えて下さい。

奈良市在住 70代 女性

A

遺贈とは?

法律によれば法定相続人以外の人が財産を相続する事はありません。このため、亡夫の兄弟姉妹の方、或いは被相続人の介護など特別な世話をされていた方達は遺産を相続する権利はありません。但し、生前中に法的に有効な遺言書を遺しておけば、法定相続人以外の人に財産を分与する事が可能になります。一般的には、遺産は相続人が相続する事が多いようですが、今回のように、亡夫の弟の方へ、遺産の一部を分与する事もあります。この様に法定相続人以外の方へ遺言で財産の分与をする事を遺贈と言います。

遺贈には、「包括遺贈」と 「特定遺贈」があります。

遺贈には、財産の一定割合を特定の方に譲渡する事を指定する場合(包括遺贈)と、特定の財産を特定の人に譲渡する事を指定する場合(特定遺贈)の二種類に大別されます。
包括遺贈を受ける人(包括受遺者)は法定相続人と同等の権利義務を有します。尚、包括受遺者、特定受遺者とも、財産を受けたくない場合には、その遺贈を放棄する事も可能です。放棄した場合、放棄された遺贈財産は法定相続人による遺産分割協議の対象財産となってきます。今回の場合は特定の財産(亡夫の郷里にある不動産)を、特定の方(義弟)へ遺贈するものであり、「特定遺贈」となります。

相続税の負担について

相続税は、被相続人の有する財産(遺産)を取得した人に対して課税される税金です。従いまして、その取得原因が相続だけでなく、相続人ではない方が遺言による遺贈で財産を取得された場合もその財産について相続税が課税されます。つまり、このように相続人ではない方が遺贈で財産を受けられた場合にも相続人と同じように相続税を納付する必要が出てくる訳です。但し、相続人の立場にある方とは若干取扱い方が異なってくる点に注意が必要です。

遺贈の場合の相続税の計算

特に異なる点は、相続又は遺贈によって財産を取得した方が、被相続人の一親等の血族や配偶者以外の方である場合には、原則としてその方が取得した財産に対応して算出された相続税額に二割を加算した額をもって納付すべき相続税額とされている点です。又、相続税の計算過程の際に控除できる相続税の基礎控除額は5,000万円と法定相続人一人当り1,000万円との合計額ですが、本件の場合、義弟の方は法定相続人でなく、一人当り1,000万円の控除の計算人数には含められません。整理しますと、法定相続人以外の人は基礎控除の際の法定相続人一人当たり1,000万円の控除がなく、さらに算出税額が二割加算されるという事が相続人の場合と大きく違う点です。
又、今回の場合、遺言により財産を受けられる方に一定の相続税や不動産取得税、登記関係費用等の負担が考えられます。その負担額にもよりますが、預貯金など金融資産の一部も不動産と一緒に分与されると、遺贈により財産を受けられる方の負担も軽くなるでしょう。

※個別の税務相談は、税理士・公認会計士等専門家にご相談ください。

(2008年11月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 岡 哲雄氏
1984年入社。
1級FP技能士。
現在奈良地域担当FP。
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