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Vol.16 住宅資金の援助(贈与)の方法

Q

このたび、息子が自宅としてマンションを購入することになりました。
安い買い物ではないので、親として何かの援助をしてあげたいと思うのですが、どのような方法がいいのでしょうか?

船橋市在住 60歳 男性

A

お客さまからの「贈与」に関するご質問はとても多いと感じられます。これは贈与税が「高い税金」(課税価格1000万円起で最高税率50%に至る)であることが広く知られていることからきているものと思われますが、あるいは昨今の経済環境の変化等の影響で、親の世代と子の世代間の所有資産の差が拡大していることが関係しているのかもしれません。

援助資金を贈与する方法

不動産購入の場合は登記が伴いますので、税務申告面はきちんとしておかなければなりません。
贈与を受けた子は「暦年課税制度」か「相続時精算課税制度」のいずれかが選択できます。「暦年課税制度」は通常の贈与の場合の方式で年間110万円の小さな基礎控除しか活用できないものです。「相続時精算課税制度」とは簡単に言うと、ある枠内の金額であれば、贈与時には贈与税の対象とせず、将来親の相続が発生した時点で、贈与財産の価格を相続財産に加算し相続税額を計算するというものです。相続時の基礎控除は、例えば相続人3人の場合8000万円と非常に大きいので、贈与財産を加算したとしても相続税はかからない方が多く、一般にはこの制度が広く活用されています。住宅資金の場合3500万円が特別控除額とされていますので、この額まででしたら贈与時の課税はありません。この制度の利用には種々要件がありますので注意が必要ですが、まずこれを検討されてはいかがでしょうか。

金銭の貸借にする方法

次の方法は贈与でなく、マンションの購入資金を親子間の金銭の貸し借りにする方法です。この場合は、実質的な借入金であり、定期的に返済をした実績を証拠として残しておくことが必要です。
そのポイントは

(1)金銭消費貸借契約書や借用証書を残しておくこと

書式は市販もされていますが、ご自分で作られても良いでしょう。この場合は借入金額、返済期間、返済方法、利息等を明確にしておく必要があります。利息については少し厄介で、金額が少額であれば無利息でかまわないとされていますが、少額というのがいくらであるかが明確化されておりませんので、注意が必要です。また利息を付した場合、その利息は親の雑所得になってしまいますが、親が年収2000万円以下のサラリーマンで、このような副収入の合計が年間20万円以下の場合には申告は不要です。

(2)返済の事実を裏付ける証拠を残しておくこと

親子それぞれの通帳間で、同日同金額の資金移動の記帳があれば十分ですが、最も確実な方法は、親の口座あてに返済金の振込を定期的に行い、振込金の受取書を保存しておくことです。このように、後々の手間が多いのがこの方法の弱点といえると思います。

購入不動産を共有持分とする方法

これは前記2方法とはまったく異なり、購入不動産を、親と子それぞれの出資比率に応じて共有持分としてしまう方法です。例えば3000万円のマンションの購入に際して、子が2000万円、親が1000万円出した場合には、マンションの持分は子2/3、親1/3となり、その持分にて登記します。
この方法はなんら税務上の問題が生じないのでその点ではよいのですが、将来親の相続が発生した場合に、マンションの持分が相続財産になってしまい、他の相続人との間の分割協議の対象となる問題があります。また子の中には「親の名義が入っている」ことへの抵抗感を感じる向きもあるかと思います。

まとめ

以上3つの方法が一般に行われている方法ですが、その前に税務以外の部分でこの援助が本当に必要かどうかということを考えることが肝要と思われます。
というのも、高齢化が進む中で、親が「長生きするリスク」、つまりは、老後の生活資金の確保の必要性はますます増大してくると思うからです。

※個別の税務相談は、税理士・公認会計士等専門家にご相談ください。

(2008年10月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 渡辺 聡氏
1983年入社。
2004年よりPB業務に携わる。
現在、船橋FPデスクに所属。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
 
遺言信託及び相続手続代行サービスに関するお問合せは
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