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Vol.15 相続権と財産管理(未成年者や胎児の場合)

Q

夫が死亡し、子が3人あり、その内2人は未成年です。私は妊娠中で、まだ生まれていない子が1人おります。これらの者の相続権と財産管理の方法はどうなるのでしょうか。

大阪府在住 43歳 女性

A

相続人としての資格の問題

相続人となる資格があるか否かということと、現実の相続手続を単独でできるかということの二つに分けて考えなければなりません。相続人になる資格の有無の問題としては、未成年者は勿論一人前の相続人として取扱われます。遺産を誰に帰属させるかという抽象的な資格の問題ですから、具体的な行為をする能力に欠けていても構わないからです。
次に胎児については、いまだ出生以前の人間ですが、相続に関しては例外的に一人前の人間として、未成年者と同様に資格を与えられています。

具体的な相続手続の問題

相続人となり得る資格のある者でも、未成年者や胎児が具体的に相続の手続をどうするかという問題についてそれぞれ考えてみましょう。

(1)未成年者の相続手続

未成年者が法律行為をするには、原則として法定代理人が必要です。通常、未成年者の法定代理人は父母 (親権者) であり、第二次的には後見人です。親権者は常に法定代理人となりますが、例外として親権を行う者がいない時又は親権を行う者が子の財産を管理する権利を有しない時は、後見人が法定代理人となります (民法837条、838条)。
また、民法八二六条で「親権者とその子との利益が相反する行為については、親権者はその子の為に特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない」 と定められています。
今回の質問の場合、母親と未成年の子が共同相続人となりますので、この 「利益相反行為」になり特別代理人の選任が必要です。

(2)胎児の相続手続

父親が死亡した時、母親が懐胎していて、その子が生きて生まれた場合には、父親の死亡の時に遡って相続したものとされます(民法886条)。
しかし、もし死んで生まれれば、もともと相続しないものとして扱われることはいうまでもありません。
実際の取扱いとしては、母親が妊娠中であれば、胎児が生きて生まれるものと考えて相続分を計算し、その子が生まれる前に相続財産の分割をするには、胎児の分の財産を法務局に供託したり、遺言執行者に保管させたりします。
ところで相続財産の分割について、胎児を未成年者の場合と同様に取扱い、胎児のために特別代理人を選任できるかは、学者の間でも説が分れていて、否定する考えの方が多いようです。
しかし、現存する相続人だけで遺産を分割してしまい、生まれた後でこれを取戻すことが難しくなるというような事情がある場合には、相続人から家庭裁判所に申立て「遺産分割を待て」という命令を出してもらい、一定の期間、分割を禁止するというような措置をしてもらうことも可能です。

(2008年9月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 鈴木 和仁 氏
1981年入社。
現在、大阪南地域担当相続コンサルタント兼ファイナンシャルプランナー。
 
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