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Vol.11 子供のいないご夫婦の相続

Q

私は夫に先立たれ、私たち夫婦には子供がありませんでした。私の財産は、日頃から面倒をよく見てくれている私の姪に遺したいと思っていますが、どうしたら良いでしょうか。
知人から遺言書を書いたら良いと聞いたのですが。

大阪市在住 60代 女性

A

自分のこれまで培ってきた財産を誰に遺すのかを自分自身で決めたいと思われるのは、当然のことだと思います。お世話になっている人に財産を遺したい場合、またその人が法定相続人(法律により特定された、相続を受ける権利を持つ人のこと)ではない場合には、どのようにしたらよいのか、遺言書の無い場合とある場合に分けて見ていきましょう。

遺言書の無い場合

原則として法定相続分により財産を分割しますが、この法定相続分とは目安であり、全ての相続人の合意が得られるのであれば、法定相続人全員が具体的な遺産の分割方法について話し合い、その結果に基づいて「遺産分割協議書」を作成します。ですが、この分割協議は、法定相続人による協議ですので、亡くなった人の意思はそこには反映されていませんし、法定相続人以外の人が相続を受けることも出来ません。また分割内容に合意が得られない相続人が一人でもある場合は、分割協議が不成立となり、家庭裁判所に調停、審判を申し立てることになってしまうことも少なくありません。

遺言書のある場合

「遺言書」に相続分を指定する記載がある場合は、その指定が法定相続分よりも優先されます。「遺言書」には遺言者の意思を反映させることが出来ますので、特定の財産を特定の人に相続させることが可能です。また、その特定の人は、法定相続人以外の人でも構いません。言い換えれば、法定相続人以外の人に財産を遺したい場合は「遺言書」を作成しておく必要があるということです。今回のご質問のように、日頃お世話になっている姪に財産を相続したいという場合は、その旨記載した「遺言書」を作成すればよく、特に姪が法定相続人ではない場合は、遺言書を作成しておかなければ、姪には全く財産を遺すことが出来ないということになります。

遺留分に注意しましょう

相続が発生した場合に「遺言書」がある場合は「遺言書」が優先され「遺産分割協議書」を作成しなくても「遺言書」を以って相続手続を行うことが出来ます。
ただし法定相続人のうち、配偶者や直系尊属(親)、直系卑属(子供やその代襲相続人)には、自らその権利を行使すれば必ず取得できる財産の範囲(遺留分)が保障されていますので「遺言書」を作成する際には、その遺留分に配慮することが大事です。せっかく「遺言書」を作成していても、遺留分に満たない財産の配分しかない(遺留分を侵害されている、と言います)又は全く配分の無い相続人がその配分を不服として遺留分を請求(遺留分減殺請求と言います)すれば、「遺言書」通りの相続が出来なくなってしまい、トラブルに繋がる可能性があるからです。尚、兄弟姉妹には遺留分は認められていません。
「遺言書」の形式には幾つか種類がありますが「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」で作成されるのが一般的です。「自筆証書遺言」は作成するのが容易ではありますが、形式不備等のトラブルが多く、又相続発生時には家庭裁判所の検認を受けなくてはなりません。多少の費用はかかりますが、偽造・変造・隠蔽・紛失や形式不備による遺言書が無効となるリスクのない、また検認の不要な「公正証書遺言」での作成をお勧めします。

「付言事項」で思いを伝えましょう

「遺言書」に、遺言者の思いや家族等への感謝の気持ちを遺言者の言葉で述べることが出来ます。これを「付言事項」と言います。遺言書の本文は、文章も硬く遺言者の真意が伝わりにくいものです。付言事項には法的な効力はありませんが、付言があることにより、相続人は遺言者の思いを知り、遺言書を作成した理由を知ることで、遺言者からのメッセージを受取ることが出来るのです。
以上のことから、お世話になった姪に財産を遺されるには「公正証書遺言」を作成し、「付言事項」に遺言者の気持ちを述べて、他の相続人にも理解してもらえるよう配慮されるのが良いと思います。

(2008年5月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 古谷 志保子氏
1989年入社。
2006年よりプライベートバンキング業務に関わる。
現在、大阪南地域担当相続コンサルタント。
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