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Vol.09 相続人が行方不明の場合

Q

先日夫が死亡しました。相続人は、妻である私と長男、長女の3名ですが、長男が10年前に失踪し現在も行方不明の状態で相続手続きを進めることができません。どのようにすればいいのでしょうか?

大阪市在住 60代 女性

A

「失踪宣告」により手続きは可能

不在者 (従来の住所又は居所を去り、容易に戻る見込みのない者) につき、その生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができます。7年間生死不明という理由で失踪の宣告を受けた者は、その期間が満了したときに死亡したものとみなされます。つまり今回のケースでは、家庭裁判所により長男様の 「失踪宣告」 がなされれば、奥様および長女様の2名の遺産分割協議で相続手続きが可能となります。

「失踪宣告」には時間がかかる

「失踪宣告」の申立ては、不在者の住所地の家庭裁判所に行います。この申立てがあると、裁判所は、当該不在者の消息を知るものはその旨を届け出よ、といったことを公告し、それでもわからない場合に初めて失踪の宣告をすることになります。ただし、この失踪の宣告までには、通常申立てから1年〜1年半の期間を要しますので、相続税の申告期限 (死亡の翌日から10ケ月以内) には間に合いません。よって、相続税がかかる財産規模であれば、この方法は現実的ではありません。また、家庭裁判所はご親族、ご友人等への問い合わせをするなどかなり詳細に調査を行いますので、その失踪の事実を知らせていないご親族、ご友人等にも知れてしまうことを覚悟する必要があります。

「不在者財産管理人」を選任する

「不在者財産管理人」 選任申立てとは、従来の住所又は居所を去り、容易に戻る見込みのない者 (不在者) で財産管理人がいない場合に、家庭裁判所は、不在者の親族や債権者などの利害関係人の申立てにより 「不在者財産管理人」 を選任することができます。このようにして選任された 「不在者財産管理人」 は、不在者の財産を管理、保存するほか家庭裁判所の許可を得た上で、不在者に代わって、遺産分割、不動産の売却等をおこなうことができます。

「不在者財産管理人」が遺産分割に参加

今回のケースでは、不在者である長男様の従来の住所地の家庭裁判所に 「不在者財産管理人」 選任の申立てを行います。その際、同管理人には、この相続に利害関係のない第三者を候補者とします。(不在者のおじ様、おば様などの親族から選ぶケースが多いようです)こうして、申立てから通常約2ケ月〜3ケ月で 「不在者財産管理人」 選任の審判が確定しますので、迅速に手続きをすれば相続税の申告も期限内には十分に間に合います。ただし、遺産分割の方法についても家庭裁判所の許可が必要となります。つまり特別な事情がない限り、不在者の相続分が法定相続割合相当額を基本とした遺産分割内容で許可を出すのです。
いずれにしても、家族間の円満な話し合いが、スムーズな相続手続きの実現には不可欠です。

※本ご案内では、一般的な事項をご説明しておりますので、詳しくは弁護士等の専門家にご相談ください。

(2008年1月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 増田 明夫氏
1984年入社。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
2004年よりプライベートバンキング業務に関わる。
現在、茨木エリア営業部長。
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